Nabon meets ❤ Beautiful Business Woman ~北海道立近代美術館 五十嵐学芸員~

2013年10月25日

当館のキャラクター ナボンくんが今を生きるビジネス・ウーマンに会ってインタビューする企画。「アートに来た女たち」(2013年5月25日~9月29日開催)の関連企画として好評をいただきました。今回は番外編として、10月19日に開幕した「北海道立近代美術館名品選 日本画を彩った巨匠たち」展のオープニングに合わせてご来館くださった五十嵐学芸員に、道近美コレクションや展覧会の見どころ、おすすめの作品をうかがいました!

 

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開会式に五十嵐学芸員と一緒にパチリ!

北海道立近代美術館の日本画コレクションについて教えてください。
北海道と日本画。ちょっとつながりにくいかもしれません。ところが、北海道は、明治以降、たくさんの日本画家を生み出しているところなのです。たとえば文化勲章受章者の山口蓬春、岩橋英遠、片岡球子は、みな北海道出身なのです。こうしたこともあって、北海道立近代美術館では、開館当初から近代日本画を収集してきました。横山大観、下村観山、竹内栖鳳、松岡映丘、堂本印象などの近代日本画のほか、山口蓬春、岩橋英遠、片岡球子はもちろんのこと、菊川多賀、福井爽人など、北海道にゆかりある日本画家の作品を収蔵しています。

 

そんな北海道立近代美術館さんの日本画の名品の数々をご紹介する「日本画を彩った巨匠たち」展で、ぜひ注目してほしいところはどこですか?
今回の展覧会では、まず、日本画の絵の具の美しさに注目していただきたいですね。油絵の具とは全く違う美しさがあります。日本画で使う絵の具は、石を砕いて絵の具にするので、「岩絵の具」というのですが、石といってもただの石じゃなくて、いわば宝石です。青はラピスラズリですから。しかも、金箔や銀箔、金泥をあちこち使っていますので、日本画は、金銀宝石で描いた絵ということになります。だからといって、ぎらぎらしているわけではなくて、墨の色とあいまって、おだやかな発色が心しみていきます。今回の出品作家では、油絵も勉強したけど、あえて日本画を選んだという画家が多いんです。それは、日本画の絵の具の繊細な美しさに惹かれたのではないかと思います。

 

五十嵐さんのおすすめの作品は?
私自身がすごく惹かれている作品は、松岡映丘の《花のあした》です。女性が縁側に立って、外を眺めているという作品ですが、見ていくと発見がいっぱいあります。椿に桜も咲いているのだけれども、「あ、こんなところにつくし」、「あっ、タンポポ?」…いろんなものが見えてきます。そして庭の手水鉢にキセキレイがとまっているのですが、その水がキラキラ輝くのです。ガラス質の雲母を砕いて絵の具に混ぜているのですね。ぜひ、展示室でみてください。

 

11月24日まで北海道立近代美術館で開催中の「森と湖の国 フィンランド・デザイン」の見どころを教えてください。
優れたデザイン性を持つフィンランドのガラス工芸の魅力を紹介する展覧会です。ガラスという素材は、その冷たさや透明感が、キラキラ輝く氷や雪の結晶を連想させますが、フィンランドのガラスは、オーロラの国の風土性と重なるものがあって、展覧会そのものが雪と氷の幻想の世界に誘ってくれますよ。

 

12月7日~1月19日に開催される次回展「冬のワンダー☆ミュージアム 2014」も、とても楽しそうです!特別な企画なのですか。
「冬のワンダー☆ミュージアム」は、毎年冬休みに開催している子どもから大人まで楽しめる展覧会で、今年のテーマは、「ハート」です。ずばりハートに響く作品を集めた展覧会で、見に来てくれるみなさんの心をどきどき、わくわくと動かします。江戸時代の浮世絵から、現代のメディアアートまで70点を出品します。

 

学芸員のお仕事でやりがいを感じることを教えてください。
仕事を通じて、いろいろな作品やいろいろな方に出会うことができることでしょうか。何度も見ているはずの私どもの美術館所蔵の日本画も、「えっ、こんなところに金箔を使っているの?」など、見るたびに発見があります。あと、見方も変わりますね。だから何を見ても、見飽きることがないですね。それから学芸員の仕事は、「人」に会う仕事でもあります。私にとっては、一つ一つの出会いが大きな財産になっています。

 

ぼくも五十嵐学芸員とお会いできて、日本画の素晴しい色とも出会うことができて、とても良い刺激を受けました!北海道立近代美術館さんの日本画をぜひ多くの人に見てもらいたいな。

 

北海道立近代美術館の展覧会情報はこちら!

「森と湖の国 フィンランド・デザイン」