「2015年6月」のアーカイブ

2015年6月6日(土)に開幕する「ダブル・インパクト 明治ニッポンの美」展に寄せた、名古屋ボストン美術館 馬場館長とボストン美術館 マルコム・ロジャース館長のメッセージをご紹介します! 

 

馬場館長(名古屋ボストン美術館).jpg

名古屋ボストン美術館
馬場駿吉館長
黒船来航により鎖国を解いた日本には海外の文化が怒涛のように上陸し、美術界もその大きなしぶきを浴びました。また一方、日本美術の精緻な美しさは欧米の人々の心を揺さぶり、驚きの声を上げさせました。
その双方の衝撃が発した新しい美の動向は、ボストン美術館と東京藝術大学が所蔵する当時の美術群を出会わせることによってくっきり見届けることができます。両美術館のコレクションの形成創世期にかかわった岡倉天心の役割を偲びつつ、この展覧会をご覧いただければと願っています。

 

マルコム館長.jpg

ボストン美術館 マルコム・ロジャース館長

Malcolm Rogers, Ann and Graham Gund Director of the Museum of Fine Arts, Boston Huntington Avenue Entrance, Museum of Fine Arts, Boston April 9, 2009 Photograph ©2015 Museum of Fine Arts, Boston.
 
ボストン美術館のアジア美術部は今年125周年を迎えました。「ボストン美術館×東京藝術大学 ダブル・インパクト 明治ニッポンの美」はボストン美術館がいかに日本美術と文化を広く紹介することに努めてきたかを明らかにしています。最初は多くのボストン市民が、19世紀後半に開催された万国博覧会で目にした日本のみごとな工芸品に魅了されました。1870年代の終わりから1880年代の初めにかけて、エドワード・S.モース、アーネスト・F.フェノロサ、そしてウィリアム・S.ビゲローら先見の明のある蒐集家やキュレーターのグループが、日本美術や文化とのより直接的な接触を追求しました。彼らは日本に住み、明治時代の芸術界に積極的に参加しました。そして、岡倉覚三(天心)と行動をともにし、歴史的に重要な作品のみならず、同時代の作品も蒐集しました。彼らは主に伝統的な主題と技術に革新をもたらした芸術家を支援しました。岡倉天心は東京美術学校(現在の東京藝術大学)の創設にかかわり、多くのこうした芸術家を主導してきました。このように、明治時代を振り返り、共有してきた歴史を検証することにより、私たちは本展覧会を東京藝術大学とともに開催できることを特に光栄に思います。

岡倉天心は、芸術は日本と西洋を結ぶ大使であるとたびたび言っていました。実際に、ボストン美術館の所蔵作品をボストンそして海外において、多くの方に鑑賞していただくことは、私たちの重要な使命です。名古屋ボストン美術館とのパートナーシップはその実現において欠かすことのできないものです。