「2015年6月-ダブル・インパクト 明治ニッポンの美」のアーカイブ

 2015年7月25日(土)13:00~16:00

「日米アート交流プログラム ハイカラモダン~ドレスをデザインしてみよう!」を開催しました。

2004年から行っているアートを通してボストンの子どもたちと交流するワークショッププログラムです。

今年はボストンでは着物のデザインを、名古屋ではひよ企画の日置菜津美さんを講師にお招きして、明治時代の憧れのファッションであったドレスのデザインをしました。

 

まずはじめに展示室で作品鑑賞。明治時代の浮世絵にドレスを着た女性たちが描かれています。みんなドレスのデザインの参考にするために熱心に見ています。

 

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 図書コーナーに戻り、テーマについての説明を聞きます。今回のテーマは開催中の展覧会「ダブル・インパクト」にちなんで「対比」がテーマ。

「日本」と「西洋」といった対比を考えながら制作開始!

紙や布を張ったり、リボンをつくったり、みんな工夫してドレスを作ります。

 

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難しかったところ、こだわったところなどを話しながらみんなに完成したドレスを見せて、講師の先生から講評をもらいました。

たくさんの素敵なドレスができました!

 

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完成したドレスは8月30日(日)までボストンでの子どもたちの作品と共に5階図書コーナーで展示しています。ぜひ見に来てください!

 

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 開催中の「ダブル・インパクト 明治ニッポンの美」展には多数の浮世絵版画が展示されています。浮世絵版画のなかでも、特に多色摺りの作品を錦絵と呼びますが、ボストン美術館の錦絵は保存状態がよく色もたいへん鮮やかです。

 

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(図1)三代歌川広重 《上野公園内国勧業第二博覧会美術館并猩々噴水器之図》 1881(明治14)年
Jean S. and Frederic A. Sharf Collection 2000.508a-c
 

 その錦絵の1枚に三代歌川広重《上野公園内国勧業第二博覧会美術館并猩々噴水器之図》(図1)があります。内国勧業博覧会は1877年に始まり、第2回が1881年に東京の上野公園で開催されました。展示の錦絵はその様子を伝えています。作品の中央には、タイトルにもある“猩々(しょうじょう)噴水器”が見えます(図2)。この「噴水器 陶人物錦手」は、宮川香山(1842-1916)が制作しました。当時の写真も残されています(図3)。高さ3mにおよぶ巨大な陶製の壺の周りには、猩々の赤い能装束の4人が酒に浮かれ舞い謡っています。これは、中国の潯陽の江に住む赤毛の霊獣猩々が、親孝行者の高風に酒が尽きることなく湧く壺を与えた、という能の演目がもとになっています。この噴水器は小林清親、楊洲周延などの錦絵にも描かれており、博覧会の大きな話題になったことがうかがえます。そのリアルで躍動感ある動きの表現には、私たちも驚嘆!

 

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(図2)猩々噴水器

東京国立博物館所蔵 Image:TNM-Image-Archives.jpg

(図3)《第2回内国勧業博覧会写真帖》

東京国立博物館所蔵 Image:TNM Image Archives

 宮川香山は、1876(明治9)年に開催されたフィラデルフィア万博に、蓮や蟹などを精巧に細工した花瓶を出品し、高い評価を得ました。そして海外からの需要に応えて、大胆に装飾を施した陶器を制作しました。宮川香山の作品が、今名古屋で見ることができます。ヤマザキマザック美術館にて「世界に挑んだ明治の美 宮川香山とアールヌーヴォー」が開催されています。香山の技が生んだ“これぞ明治ニッポンの美!”と叫びたくなる作品の数々。8月30日まで開催されています。

2015年6月6日(土)に開幕する「ダブル・インパクト 明治ニッポンの美」展に寄せた、名古屋ボストン美術館 馬場館長とボストン美術館 マルコム・ロジャース館長のメッセージをご紹介します! 

 

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名古屋ボストン美術館
馬場駿吉館長
黒船来航により鎖国を解いた日本には海外の文化が怒涛のように上陸し、美術界もその大きなしぶきを浴びました。また一方、日本美術の精緻な美しさは欧米の人々の心を揺さぶり、驚きの声を上げさせました。
その双方の衝撃が発した新しい美の動向は、ボストン美術館と東京藝術大学が所蔵する当時の美術群を出会わせることによってくっきり見届けることができます。両美術館のコレクションの形成創世期にかかわった岡倉天心の役割を偲びつつ、この展覧会をご覧いただければと願っています。

 

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ボストン美術館 マルコム・ロジャース館長

Malcolm Rogers, Ann and Graham Gund Director of the Museum of Fine Arts, Boston Huntington Avenue Entrance, Museum of Fine Arts, Boston April 9, 2009 Photograph ©2015 Museum of Fine Arts, Boston.
 
ボストン美術館のアジア美術部は今年125周年を迎えました。「ボストン美術館×東京藝術大学 ダブル・インパクト 明治ニッポンの美」はボストン美術館がいかに日本美術と文化を広く紹介することに努めてきたかを明らかにしています。最初は多くのボストン市民が、19世紀後半に開催された万国博覧会で目にした日本のみごとな工芸品に魅了されました。1870年代の終わりから1880年代の初めにかけて、エドワード・S.モース、アーネスト・F.フェノロサ、そしてウィリアム・S.ビゲローら先見の明のある蒐集家やキュレーターのグループが、日本美術や文化とのより直接的な接触を追求しました。彼らは日本に住み、明治時代の芸術界に積極的に参加しました。そして、岡倉覚三(天心)と行動をともにし、歴史的に重要な作品のみならず、同時代の作品も蒐集しました。彼らは主に伝統的な主題と技術に革新をもたらした芸術家を支援しました。岡倉天心は東京美術学校(現在の東京藝術大学)の創設にかかわり、多くのこうした芸術家を主導してきました。このように、明治時代を振り返り、共有してきた歴史を検証することにより、私たちは本展覧会を東京藝術大学とともに開催できることを特に光栄に思います。

岡倉天心は、芸術は日本と西洋を結ぶ大使であるとたびたび言っていました。実際に、ボストン美術館の所蔵作品をボストンそして海外において、多くの方に鑑賞していただくことは、私たちの重要な使命です。名古屋ボストン美術館とのパートナーシップはその実現において欠かすことのできないものです。

 

6月6日(土)より開催の「ダブル・インパクト 明治ニッポンの美」展の準備中です。
3階ロビーでは、「ドレスアップ・コーナー」として写真SPOTコーナーを開設します!
明治時代に流行したバッスル・スタイルという腰の後ろが膨らんだドレスを再現しました。

 

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楊州周延《梅園唱歌図》1887(明治20)年 ボストン美術館
Gift of L. Aaron Lebowich RES.53.82-4
Photograph © 2015 Museum of Fine Arts, Boston.

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このドレスは、名古屋ファッション・ビューティー専門学校のファッションテクニカル科テクニカルコースの2年生の皆さんが、本展のために企画・製作してくださいました。展示作品の錦絵からイメージを膨らませてデザイン画を作り、当時のドレスの形などを紐解きながら制作しました。 

 

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今では服といえば洋服ですが、着物しか知らなかった当時の女性たちは、洋服をどのように受け入れていったのでしょうか?
本展では、文明開化により日本が生まれ変わっていく様子を錦絵や写真などでご覧いただけます。女性たちのファッションにも注目です。
そして実際にドレスを着て明治時代の女性に変身してみませんか?
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