「2017年1月-𠮷田博 木版画展」のアーカイブ

1月14日(土)に開幕する「MOA美術館所蔵 𠮷田博 木版画展 抒情の風景(ノスタルジック・ユートピア)」では、明治・大正・昭和の時代にかけて活躍した画家、𠮷田博の木版画を通して国内外の風景をご紹介します。

福岡県久留米市に生まれ、若くしてその才を見出された𠮷田博は、水彩画・油彩画・木版画といった分野で優れた作品を残しました。中でも国内外の景観を中心とした木版画を多く制作し、その精緻な技法と色彩の豊かさで、今もなお愛好家を魅了し続けています。特に「櫻八題」、「東京拾二題」など日本の風景を表現した作品は、その場の光や大気の様子までも再現したかのような写実性と、観る人にどこか懐かしさを感じさせる抒情性を兼ね備えています。次回展では、𠮷田博の木版画にスポットを当て、MOA美術館所蔵の作品より名作86点をご紹介します。

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𠮷田博《瀬戸内海集 光る海》1926(大正15)年

MOA美術館所蔵

 

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名古屋ボストン美術館 館長

馬場駿吉

𠮷田博(1876-1950)は日本洋画界の曙を告げる画家の一人として、最近とみに再評価されて来ました。彼は弱冠23歳で米国に渡り、その翌年にはボストン美術館で作品を発表する機会に恵まれます。そんな経歴を思い浮べますと、遥かな時空を超えての、当館との浅からぬ縁をあらためて感じさせられます。
𠮷田の画業は水彩画、油彩画、木版画と幅広く、多彩な作品を残しましたが、とくに木版画には強い関心を示しました。彼は国内はもとより、欧米、東洋各地に足を運び、その景観、風物への敬意を精緻な刻線と色彩により表現し、今も私たちをその作品が醸し出す香気ともの懐かしい情感に浸らせてくれます。今回展示の86点はMOA美術館所蔵の名品です。同館のご厚意に深謝いたします。