「学芸員」のアーカイブ

6月に開幕した「パリジェンヌ展」、会期もあと1ヶ月となりました。

そのうち行こうと思っている皆さん、会期末は混みます、行くなら今ですよ!

 

展覧会を鑑賞した後は、図書コーナーでぬりえを楽しみましょう。

毎回好評のぬりえコーナー、特に素晴らしい作品をちょっとだけ紹介します。

 

 

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アウトラインにとらわれない配色がとてもGoodですね!
 

 

 

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足元に猫が、そして傍らにナボン君が描かれていてとても楽しそうです。
 

 

 

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細かいハッチングでドレスの立体感が表現されています。
 

 

 

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激しい描線のストロークが印象的!
 

 

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うーん、強そうですね!ツインテールがとてもキュート。
 

想像力をふくらませて、創造力をはたらかせて、ぬりえに挑戦してみましょう。

完成したぬりえを見ることは、館内スタッフのひそかな楽しみでもあります。力作を待っています!

 2015年7月25日(土)13:00~16:00

「日米アート交流プログラム ハイカラモダン~ドレスをデザインしてみよう!」を開催しました。

2004年から行っているアートを通してボストンの子どもたちと交流するワークショッププログラムです。

今年はボストンでは着物のデザインを、名古屋ではひよ企画の日置菜津美さんを講師にお招きして、明治時代の憧れのファッションであったドレスのデザインをしました。

 

まずはじめに展示室で作品鑑賞。明治時代の浮世絵にドレスを着た女性たちが描かれています。みんなドレスのデザインの参考にするために熱心に見ています。

 

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 図書コーナーに戻り、テーマについての説明を聞きます。今回のテーマは開催中の展覧会「ダブル・インパクト」にちなんで「対比」がテーマ。

「日本」と「西洋」といった対比を考えながら制作開始!

紙や布を張ったり、リボンをつくったり、みんな工夫してドレスを作ります。

 

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難しかったところ、こだわったところなどを話しながらみんなに完成したドレスを見せて、講師の先生から講評をもらいました。

たくさんの素敵なドレスができました!

 

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完成したドレスは8月30日(日)までボストンでの子どもたちの作品と共に5階図書コーナーで展示しています。ぜひ見に来てください!

 

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 開催中の「ダブル・インパクト 明治ニッポンの美」展には多数の浮世絵版画が展示されています。浮世絵版画のなかでも、特に多色摺りの作品を錦絵と呼びますが、ボストン美術館の錦絵は保存状態がよく色もたいへん鮮やかです。

 

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(図1)三代歌川広重 《上野公園内国勧業第二博覧会美術館并猩々噴水器之図》 1881(明治14)年
Jean S. and Frederic A. Sharf Collection 2000.508a-c
 

 その錦絵の1枚に三代歌川広重《上野公園内国勧業第二博覧会美術館并猩々噴水器之図》(図1)があります。内国勧業博覧会は1877年に始まり、第2回が1881年に東京の上野公園で開催されました。展示の錦絵はその様子を伝えています。作品の中央には、タイトルにもある“猩々(しょうじょう)噴水器”が見えます(図2)。この「噴水器 陶人物錦手」は、宮川香山(1842-1916)が制作しました。当時の写真も残されています(図3)。高さ3mにおよぶ巨大な陶製の壺の周りには、猩々の赤い能装束の4人が酒に浮かれ舞い謡っています。これは、中国の潯陽の江に住む赤毛の霊獣猩々が、親孝行者の高風に酒が尽きることなく湧く壺を与えた、という能の演目がもとになっています。この噴水器は小林清親、楊洲周延などの錦絵にも描かれており、博覧会の大きな話題になったことがうかがえます。そのリアルで躍動感ある動きの表現には、私たちも驚嘆!

 

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(図2)猩々噴水器

東京国立博物館所蔵 Image:TNM-Image-Archives.jpg

(図3)《第2回内国勧業博覧会写真帖》

東京国立博物館所蔵 Image:TNM Image Archives

 宮川香山は、1876(明治9)年に開催されたフィラデルフィア万博に、蓮や蟹などを精巧に細工した花瓶を出品し、高い評価を得ました。そして海外からの需要に応えて、大胆に装飾を施した陶器を制作しました。宮川香山の作品が、今名古屋で見ることができます。ヤマザキマザック美術館にて「世界に挑んだ明治の美 宮川香山とアールヌーヴォー」が開催されています。香山の技が生んだ“これぞ明治ニッポンの美!”と叫びたくなる作品の数々。8月30日まで開催されています。

3月26日(木)に、ジャポニスム展の工芸作品にも用いられている七宝の技法について学ぶイベント「七宝ってナンダ?」を実施しました。

油絵や日本画、陶磁器、版画など、展覧会ごとにテーマを変えて行っている人気イベントの第5弾。

今回は6組15名の方々が参加しました。
 

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まず七宝がどこで生まれたのか、何に使われてきたのか、その歴史を知ります。
実は私たちの身近なものにも使われている七宝。皆さんも一度は目にしたことがあるはずです。

 

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そして、七宝が出来上がっていく工程を、素材に触れながら学びます。
「ガラスの粉って、どのくらい細かいの?」
「すべすべした表面は、どの段階でできるの?」
実際に触ってみることで、たくさんの職人さんたちの辿った工程を実感することができます。

 

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このイベントは次回の「Go! Go! 家族でびじゅつかん」期間中の、5月5日(火)にも実施します。

親子で、ご夫婦で、お友達同士で、ぜひ参加してみて下さい。

9月20日(土)より開催する「美術する身体―ピカソ、マティス、ウォーホル」展について馬場館長が見どころをご紹介します!

 

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馬場駿吉館長

注目は、ピカソ晩年の傑作《サビニの女たちの略奪》が日本初公開!


本展は、美術家たちがどのように身体の存在に向き合って来たかを探るため、第二次世界大戦後の1940年代後半から現代に至るまでに制作された作品より、100点を選び構成しています。
版画作品を中心に油彩、素描、彫刻、写真、映像などが含まれ、近年の表現形式の多様化が読み取れると思います。
とくに今回注目されるのは、ピカソ晩年の傑作の一つ《サビニの女たちの略奪》(1963年)が日本初公開されること。21世紀もなお戦乱の絶えない世界情勢を眺めると、まずは身体の尊厳を守るべきだというピカソのメッセージが今なお有効である現実に心が痛みます。

フォートリエやデュビュッフェの版画作品のほか、マティスの素描、ジャコメッティの彫刻、ウォーホルの肖像プリントなど・・・・・私自身も楽しみにしています

 

私が美術の世界に入るきっかけとなったのは、版画を購入し手元の置いたことでした。今回は、様々な版画作品も数多く出展されています。ヘンリー・ムーアジャコメッティなど彫刻家として知られている作家たちのドローイングや版画も出展されていて、私自身もとても楽しみにしています。

また、身体の静止や運動のフォルムを軽やかに描いたマティスの素描、フォートリエやデュビュッフェの版画作品も見逃せません。
消費社会の中に漂う身体の寄る辺なさを象徴するウォーホルのマリリン・モンローなどの肖像プリントのほか、フォトリアリズムにおけるクロースの肖像写真を基本としつつ絵画化する行為に新しい意味を再認識させられる作品は、ポップ・アートが単なるうたかたの現象だけではないことを知る手がかりとなるでしょう。20世紀美術が身体の美の追求を全く忘れてはいなかったことを示す画家カッツやプライア、写真家のハーブ・リッツの作品も並びます。最後に光と影によって変幻する身体のイメージを捉える杉浦邦恵が芸術家 村上隆の姿を影絵化した写真作品も目を引きます。

古代から現代に至るまで芸術家たちにとって重要なテーマである〈身体〉


私たちの生命現象を包む身体のかたちの追究は、人類が芸術表現に目覚めた古代から多様な技法を駆使する現代に至るまで、脈々と受け継がれてきた重要なテーマです。美術史に照らしてみても、宗教、倫理、政治、環境の変化など、様々な因子によって身体への関心の度合いや表現方法には、多様な変遷が見られます。しかし、美術家はもとより、私たちは誰しもが、今もゴーギャンの「われわれは何者か」*という切実な問いを抱えながら人生を歩いています。そうした問題意識に最も近い〈身体〉というテーマは、近年いよいよその重要性を増してきているといえると思います。
*ポール・ゴーギャン《我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか》(1897-98年)。当館では、開館10周年記念「ゴーギャン展」で展示。

〈身体〉の追求が美術の王道であることが、本展を通して感じていただけると幸いです


最近の医学では、病気や事故で失った体を元に戻す再生医療という我々の身体を根底から覆すようなことが行われています。そのような技術の進歩はありながらも、母親の体内から受け継がれてきたかけがえのない身体の変わらぬ有難さ、大切さ、尊さというものを、美術を通じて感じることができるのではないでしょうか。 

そして、本展を通して、芸術家たちにとって〈身体〉の追求が美術の王道であることを示す一助となればと願っております。