ヨーロッパ肖像画とまなざし:概要

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| 肖像画は西洋美術の歴史の中で、人々のさまざまな欲求や希望を叶えるものとして描かれてきました。画家や彫刻家たちがモデルと向き合うことによって生まれる肖像画は、注文主の希望や期待と芸術家の感性という、双方のまなざしが交差する場でもありました。 注文主は肖像画を個人の似姿を後世に残すだけでなく、一族の威信や権力を示すものとして、あるいは英雄崇拝、国家や宗教を宣揚するために用いてきました。一方、芸術家にとって肖像画は重要な生活の糧であり、注文主の意向を反映したものとするため正確な描写や理想的な面を強調することも多くありました。しかし、時代の変化とともに芸術家たちは外見だけでなくモデルの内面性をとらえることを試み始め、肖像画は特定の個人の記録という用途から主に美術作品として鑑賞されるものへと変化していきました。 「ヨーロッパ肖像画とまなざし」展では、ボストン美術館が誇るヨーロッパ美術コレクションより日本の美術館では所蔵の少ない16世紀の板絵や細密画などの作品から肖像画の巨匠ティツィアーノ、ヴァン・ダイク、ベラスケス工房、ゲインズバラや日本でもなじみの深いドガ、セザンヌ、ゴッホ、マネ、ピカソといった近代の巨匠たちの作品に至るまで、珠玉の肖像画を紹介します。 なかでもセザンヌの《赤い肘掛け椅子のセザンヌ夫人》や、ドガの初期の作品《エドモンドとテレーズ・モルビリ夫妻》はボストン美術館の館長が選ぶ重要作品として同館以外では見る機会が少ない貴重な作品です。本展では、構図、人物のポーズ、衣装など時代とともに変化してきた様々な肖像作品を絵画だけでなく彫刻、版画、素描、写真など幅広く選んだ67組71点から展観いたします。 |
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