第1章 モリムラブラザーズの創業
幕末の動乱の中、海外貿易を志した森村市左衛門は、弟の豊とともに1876(明治9)年東京銀座に森村組を創業しました。その後アメリカでの販売拠点としてニューヨークにモリムラブラザーズが設立されます。創業当初は日本の骨董品雑貨の小売りから始め、やがて陶磁器の卸業へと事業を転換していきました。この事業の発展とともに、1884(明治17)年頃から、森村組は陶磁器生産に着手し、多くの製品が日本から輸出されるようになりました。

| 色絵盛上松オウム文皿 (1891-1921年) | | 
| 色絵金点盛薔薇文水注 (1891-1921年) | | 
| 色絵金点盛藤文双耳花瓶 (1891-1921年) | | 
| 色絵金点盛薔薇文チョコレートセット (1891-1921年) | |
第2章 オールドノリタケの世界
| モリムラブラザーズでは、販売する陶磁器にアメリカ人の好みや流行を反映させるため、1895(明治28)年、ニューヨークに図案部を設け日本人デザイナーにデザイン画を描かせました。最新のファッションや流行、アール・ヌーヴォーなどの美術様式を取り入れた華やかなデザイン画は日本の森村組専属画付工場に送られ、原画に忠実に製造されました。これら花瓶、飾皿、飾壷などのファンシーウェアと呼ばれる装飾品は「オールドノリタケ」を代表する作品として人気が高く、現在でも多くの人々を魅了しています。 | 
| | デザイン画帖(1905年) | |
第3章 ディナーウェアの誕生
| モリムラブラザーズが日本陶器の創立以前から待望していたのが、ディナーウェアの製品化でした。森村組は白色硬質磁器による洋食器の製造をめざし、1904(明治37)年に日本陶器合名会社を設立、ついに1913(大正2)年、ディナー皿の焼成に成功します。翌年、日本初のディナーセット「SEDAN(セダン)」が誕生し、その後、日本陶器が製造するディナーセットはアメリカで大量の注文を受け、モリムラブラザーズの主力商品となりました。 | 
| | ディナーセット「SEDAN(セダン)」(1914-1921年) | |
第4章 ノリタケ・アール・デコ
1920年代の欧米ではアール・デコ様式が席巻し、モリムラブラザーズでもいち早くこの流行を取り入れたデザイン画を描かせました。アール・デコの特色である幾何学的な模様に加え、モダンガールなど大正モダンのデザインもあり、発色の良いラスター彩を多用した花瓶や飾皿などの製品が大半を占めます。これらは「ノリタケ・アール・デコ」と呼ばれ、人気の高い魅力的な作品ばかりです。

| 色吹幾何学文コンポート (1920-1930年) | | 
| ラスター彩婦人図皿 (1920-1930年) | | 
| 左からラスター彩エジプト風文ティーポット、ラスター彩鳥文ティーポット、 色吹花文ティーポット、ラスター彩花文ティーポット(1920-1930年) | |
第5章 テーブルウェアの変遷
ディナーセット「SEDAN(セダン)」の誕生以来、日本陶器では様々なデザインを施したディナーウェアが大量に製作されました。1932(昭和7)年にはボーンチャイナの製品化に成功し、置物やディナーウェアに多用されました。 戦後の一時期、原材料や熟練技能者の不足などから戦前と同程度の品質を保つことが困難となり、暫定的に「ローズチャイナ」の商標が用いられましたが、1948(昭和23)年には「ノリタケチャイナ」が復活し、現代まで日本を代表する洋食器ブランドとして世界中で愛用され続けています。 | 
| ディナーウエア「ROSE CHINA(ローズチャイナ)」 (1946-1948年) | |