ペリー&ハリス:見どころ

序章 黒船前夜~米国と日本の出会い~

19世紀になり捕鯨産業は大いに繁栄し、ニューイングランドの港から多くのアメリカ船が捕鯨のため、遠洋へ向けて出航していきました。捕鯨業はニューイングランド地方の経済の基幹をなすまでに発展していたのでした。そして1840年代になると、日本近海にも鯨を求めてアメリカ船が頻繁に出没し、飲料水や薪炭を補給する寄港地を求めるようになります。ペリー来航にはこのような背景がありました。19世紀前期、ペリー来航以前の捕鯨業を通じた日米の出会いを、当時の捕鯨関係資料で紹介します。

 

第1章 ペリーの来航から日米和親条約の締結へ

1854 年(嘉永7)、ペリーの2度目の来航により、アメリカと江戸幕府との間に日米和親条約が締結されました。幕末日本の国内では、黒船やペリーの肖像画を描いた瓦版などが印刷され、市井に広がりました。当時の日本人が持っていた黒船に対する好奇心、黒船に対するイメージを、版画や絵巻、肉筆の作品から紹介します。日本を訪れたペリー艦隊の様相を伝える資料として、海軍のサーベルや軍帽、ペリーの写真なども展示します

写真:ペリー横浜上陸の図

≪ペリー横浜上陸の図≫ハイネ画
1855年 江戸東京博物館蔵

第2章 日米の饗応と交歓

写真:ペリー使節への賜物書上 力士米俵運搬図入

≪ペリー使節への賜物書上 力士米俵運搬図入≫
江戸時代末期 江戸東京博物館蔵
ペリー艦隊が米国に持ち帰った土産品や、ペリーが日本へ贈った品々から、双方の交流の様子を紹介します。日本に対し、いかに文明国として進んでいるかを示す科学技術の粋を集めた品々を贈った米国。逆に、伝統工芸品などを中心とした生活道具を贈った日本。日米双方の贈答品を両国が所蔵するコレクションから展観します。

写真:異国落葉籠

≪異国落葉籠≫1854年(嘉永7)
江戸東京博物館蔵

写真:本国蒸気船之図

≪本国蒸気船之図≫
江戸時代末期 江戸東京博物館蔵

第3章 ハイネの見た日本

ドイツに生まれたウィリアム・ハイネは、1849年のドレスデン蜂起後にアメリカへ亡命しました。ハイネはペリー艦隊随行の「画家」として、各寄港地で遠征先の風景をスケッチ画として残しています。ペリー艦隊が日本への遠征を終えて帰国した後、ハイネの絵はその公式記録である『ペリー艦隊日本遠征記』の挿絵として掲載されました。また、ハイネの絵は日本を海外に紹介した石版画の画集として出版され人気を博しました。

写真:裁判

≪裁判≫ハイネ画
19世紀後半 ミュンヘン国立民族学博物館蔵

ハイネの描いた日本の情景の油絵が日本初公開

ハイネは、プロイセンの使節と再来日を果たし、1860年には半年ほどの間江戸に滞在し、そこで日本に関する年代記をはじめ多くの書物や版画類を収集したと言われています。その後、ハイネは何冊か本を出版していますが、そのほとんどは日本に関するものでした。
ハイネは異国の地日本でどのようなものに興味を示したのか、ここではハイネの目に映った日本の姿を紹介します。
ミュンヘン国立民族学博物館が所蔵するハイネの原画(油絵)が日本初公開となります。

 

第4章 日米修好通商条約

1856 年(安政3)、タウンゼント・ハリスは初代駐日米国総領事として赴任、通訳のヒュースケンとともに下田に来航しました。その目的は、ペリーが果たせなかった日本との通商を結ぶことでした。江戸への出府と将軍への謁見を経て開始された条約交渉は、井上清直と岩瀬忠震(ただなり)という2人の幕臣が担当しました。両者の激しい折衝の末、1858年(安政5)6月19日に日米修好通商条約が締結されました。
本章では、幕府との交渉過程や江戸城登城までの経緯、ハリスの下田や江戸での事績をたどります。また、米国セイラムにあるピーボディー・エセックス博物館が所蔵するハリスに贈られた茶道具一式も展示します。

写真:ハリスの接待菓子(復元)

≪ハリスの接待菓子(復元)≫たばこと塩の博物館蔵
福留千夏氏復元製作 株式会社虎屋協力

写真:東都名所見物異人 神田神社内 ふらんす

≪東都名所見物異人 神田神社内 ふらんす≫
橋本貞秀画 1861年(文久元) 江戸東京博物館蔵

写真:ハリスに贈られた日本の茶道具

≪ハリスに贈られた日本の茶道具≫
1857年(安政4) ピーボディー・エセックス博物館蔵

終章 遣米使節の見たアメリカ

日米修好通商条約の条文には、この条約をアメリカで批准することが決められていました。1860年(万延元)、幕府使節団が太平洋を渡り、ワシントンで条約の批准を行いました。本章では、遣米使節随行員の日記や写真、またアメリカから持ち帰った品々を展示し、日本の外交使節の様相を紹介します。なかでも、使節の賄方として参加した飛騨出身の俳人・加藤素毛は、帰国後各地を巡って見聞を語りました。その見聞録や持ち帰った品々から、日本の民間レベルにおける海外情報の伝播と受容の姿を紹介、日本が近代という新しい時代に積極的に向き合い順応することができた豊かな土壌を探ります。

写真:加藤素毛肖像写真(アメリカで撮影)

≪加藤素毛肖像写真(アメリカで撮影)≫ 加藤素毛記念館蔵

写真:遣米使節へのホワイトハウスでのもてなし(「絵入りロンドンニュース」より)

≪遣米使節へのホワイトハウスでのもてなし(「絵入りロンドンニュース」より)≫
1860年(万延1)6月16日 江戸東京博物館蔵

<海外の主な借用先>
スミソニアン研究所国立自然史博物館、米国国立公文書館、アメリカ海軍兵学校博物館、ピーボディー・エセックス博物館

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